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【BtoB-IT業向け】 コンテンツ施策(制作)のROIを決定づける「買い手視点」

あらゆる産業で、ボーダーレスの競合環境が厳しさを増し、BtoB-IT企業自身も、そしてその顧客企業にとっても売りにくい状況が続いています。

多くの企業において積極的なマーケティング活動による新規開拓に向けたメッセージ(コンテンツ)開発が重要性を増す一方で、ITという内容自体を一般化しづらい無形商材の特性から、ターゲットに製品・サービスの価値が伝わっていないという課題も多く見られます。

本コラムでは、事業向けIT製品/ソリューションを提供するベンダーやプロバイダーのコンテンツ施策の“伝わらない”課題が蔓延する中で、最も大切な「買い手視点(顧客にとって魅力的か)」でコンテンツ施策を検討する考え方と実践ポイントをご説明します。

買い手の“視点”を掘り下げなければ、結果が出ない

まず前提とするのは事業上の課題や達成目標。コンテンツ施策で達成すべきは何か、「目的」を明確にすることです。その上で、買い手(ターゲット、もしくは情報の受取手)を明確化していないコンテンツでは、良い結果は得られません。「誰が」そのコンテンツを読むのか、もしくは「誰に」読んでもらいたいのか、を明確にすることは必須です。

日々のご支援の中で、確信しているのはコンテンツ施策のターゲティング(『誰に』の明確化・絞り込み)精度によって、ROI(費用対効果)は大きく変わるということ。

コンテンツは万人向きであるほど、汎用的でつまらなくなります。銀行に置いてある暇つぶし用の雑誌は時間があれば読んでいられますが、買ってまで読もうとは思わないでしょう。同じことです。

BtoBの企業間取引であれば購買に至るまでには幾多のステップがあります。そして多数の関係者が購買に関与します。対象が経営層なのか、あるいは情報システム部門の担当者なのか、事業部門なのか、によって内容も言葉の選び方、文体や構成は大きく変わってきます。経営者と情報システム部門では違う。既存顧客と新規顧客とでも製品の知識は違う。また同じ対象者でも購買ステージによって求める情報は異なる、当然コンテンツの内容も違ってきます。

とりわけ専門性が高く、新しい技術も次々と出てくるBtoB-IT分野では、対象とすべきターゲットの製品に対する理解力や求める情報量の見極めが欠かせません。

たとえば、技術に詳しくない利用部門の担当者は、技術スペックの数値では具体的なイメージが湧かないことがほとんどです。その場合は、システムの信頼性を表すのも「稼働率は99.9%以上」ではなく、「システム停止時間を年間6時間以内に抑えます」に変換すること。読み手にとって、リアリティある表現に置き換えることが必要です。

一方で、同じ利用部門でも技術的な仕組みを学んでいる責任者なら、技術に関する初歩的な説明は不要です。専門用語を使って、詳しい技術説明をする必要があります。「誰」を対象にするかでコンテンツによる伝え方は異なります。

買い手の“状態”によって、コンテンツの全てが変わる

もう少し踏み込みます。「買い手を理解し、どのようにコンテンツに落とし込むのか」という視点です。

実際のコンテンツ制作では、買い手の知識レベルだけでなく、どの検討段階にいる企業内個人を対象とするのか。抱いている課題から背景、立場、欲求、不安、不満、困っていることなど──。対象を取り巻く状況から”状態”を踏まえて情報ニーズを具体化し、コンテンツの訴求精度を高めていきます。

例を、ここでは端的に挙げます。事業インパクトの大きいソリューション型のIT商材の購買では、上申において導入の必然性や経営との適合性、投資対効果の明確な提示が求められます。しかし、購買担当者に決裁者である経営層の厳しい視点に応えるだけのナレッジはなく、限られたナレッジの中で、どのように上申をすればいいのか課題を抱いているケースです。

上記の課題に応えリードを獲得する場合、担当者の申請・承認業務を後押しするコンテンツが選択肢として考えられます。たとえば、決裁者の承認を取り付ける手順や方法を示したコラムから、導入の必要性を訴え行動に同意してもらう情報(あるべき姿と手段、期待効果)を伝える企画書テンプレートをホワイトペーパーにまとめDLを促す方法です。この場合、ホワイトペーパーは対象が稟議書の添付資料として切り貼りしやすく、再利用/再編集しやすい形式に整えることがポイントです。

または今導入しようとしている内容と合致する「導入事例」を見せ、稟議書に必須項目となる定量的効果とともに具体的な導入イメージを感じるコンテンツが購買を後押しするかもしれません。事業インパクトが大きく、「購買を失敗できない商材」であり、購買ステージも下流にあるからこそ、商材の「選定ポイント」と「選定理由」もあわせて明確かつ具体的に伝えるコンテンツです。

上申において購買担当者が稟議書にそのまま添付できる技術資料を求めているのであれば、コンテンツの直接の提供対象である購買担当者の奥にいる経営層にまで目配りしたコンテンツによるアプローチが有効になるでしょう。言葉が平易で、これとともに図解を交えて丁寧に解説されているか、構成がわかりやすく、今読んでいる部分が何のためにあるのかが、明快なコンテンツが求められます。

たとえば、スペック数値は羅列ではなく比喩を用いたり、多忙な経営者が既知のことと関連付けて情報を一瞬で消化できるようにデータをビジュアル化する、インフォグラフィック(表現手法)を検討する──。分厚くて重く、ITの専門用語がズラズラと並び、スペック数値の羅列と専門的な分析が延々と続くような技術報告資料では良い結果は得ることができません。

一方で、購買担当者が技術に明るく、決裁者が技術好きで詳細な記述を好むのであればそのように記述すべきです。その方がターゲットとその先にいる対象者にとって「分かりやすい」からです。

このように、社内調整や稟議という点でターゲットの検討段階が共通していても、その状態によってコンテンツの内容、形式、文字量、文体、使用する用語、ビジュアルの有無など全てが変わってきます。

買い手を具体化する3つの視点

コンテンツ制作の精度を高めるために、どのようにターゲットを具体化していけば良いのか──。制作時に日頃から習慣化して意識すべき3つの視点をお伝えします。

⑴ターゲット企業が位置する購買ステージ

買い手企業がどのような検討段階(購買ステージ)にあるか、ターゲットを明確化する工程の「基本根本」です。前述でお伝えした通り、どの検討段階にいるのかによってターゲットの求める情報は異なります。

潜在的な課題を顕在化する「問題認識・社内検討」にあるのか。顕在化した解決すべき課題を整理し、対応すべき範囲や予算、納期を定義する「案件定義」という購買検討の上流ステージに位置しているのか。それとも定義した案件への提案依頼を検討する「候補業者の選定」なのか。業者からの提案を社内評価し選定する「提案評価」、選定した業者と提案内容(アプローチ、納期、予算)について、意思決定機関から承認を得る「社内稟議・業者決定」の下流ステージにいるのか。ターゲットの「検討段階」を整理することが第一に重要です。

⑵ターゲット(情報の受取手)の視座

「視座」とは、読み手が物事を見る視点のこと。同じ現象でも、情報システムの社員と経営者とでは捉え方が異なります。

たとえば、情報システム部門の運用担当者であれば「機能は」、利用者であれば「使い勝手は」、経営者であれば「コスト削減効果は」「投資対効果はどうか」など。誰の立場で、どの高さで問題を捉えるかにより解決すべき課題と興味の対象は異なります。相手の知識リテラシーや立場により求める情報の見極めが欠かせません。相手の痛み・気持ちに寄り添っているか、相手の身近な言葉や表現になっているか。相手による視座の違いに合わせてメッセージを作り込むことで説得力を高められます。

⑶ターゲット(情報の受取手)の視野

「視野」とは、視野は物事を見る広さのこと。視野の広さには、「空間軸」と「時間軸」の2つあります。

空間軸とは、「部門内で捉える問題か」「他部門まで広げているのか」「全社として捉えるのか」というように問題を捉える組織的な範囲を示すもの。時間軸とは、その話題が「3ヶ月後か」「半年後までか」「数年後なのか」いつの時点を示すもの。期間によって解決すべき問題は変わります。この2つの「視野」により、目前の問題だけを捉えるだけでなく、読み手の所属する部門や組織、企業にとってあるべき姿をイメージすることがポイントです。

まとめ

読み手が位置する購買フェーズ。立場や視点の高さで視野の広さに応じて求める根拠も深さも変わります。そのために事前になるべく根拠を洗い出しておく準備が必要です。

コンテンツで誰の痛みに共鳴して解決策を示すのか。読み手を現状から、どのようにして「あるべき姿」に導くのか。読み手の本質的な課題に気づきを与え、その行動をとるべき必然性にどのように「同意」してもらうのか。考えれば尽きることのないテーマですが、「自分が買い手の立場だったら何を求めるのか」「この問題は、買い手企業にとってどのような影響があるか」などを日頃から繰り返し考えることで、徐々に身につきます。